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と魚のよろず帖

〇五 文月

≪文月≫


  一日 「新しい門出祝ってひとっ飛び 幸せ運ぶ文月の空」

  二日 「雨降りの冷えた空気に包まれて 微熱感じる 夏間際かな」

  四日 「雨音をBGMに闊歩して はっぱをかける月曜の朝」

  五日 「鏡見るそんなささいなことにさえ 恋する心 色に出にけり」

  六日 「ツベルクリンその名のひびきなつかしく 赤く広がるかすかなかゆみ」

  七日 「雨音にやさしくひびく願いごと 雲間に光る星の数だけ」

  八日 「あれこれと迷い悩んで涙して さらさら行くよ あしたの方へ」
  
  九日 「誰の背も小さな羽がかくれんぼ 小さな声でいつも呼んでる」

 十日 「ひとつずつたんたんたんと調って とんとんとんとステップ踏んで」

 十一日 「あったかい母さんのひざ思い出し 遠いあの日の夢見て眠る」

 十二日 「降り出した雨の音色に誘われて 文字を追いかけひととき遊ぶ」

 十三日 「一年の無事を祈ってにぎやかに 神さんむかえるお囃子ひびく」

 十四日 「蒸し暑い梅雨の晴れ間にお洗たく たまったもんも心もさっぱり」

 十五日 「カンカンのお日さんつづく毎日も 夏の実りがからだうるおす」

 十六日 「ほろ酔いの切ないこころ映すよな 月さんいない曇った夜空」

 十七日 「夏祭りハートうきうき高鳴って 不思議なご縁重ねてくれる」

 十八日 「さんさんと照りつける陽にさらされて ゆらゆら光る道に樹々かな」

 十九日 「仕事終え月光る空ふと見上げ ほっとひと息こころ和んで」

 二〇日 「なつかしい笑顔の浮かぶ夏便り 心飛ぶ飛ぶ君の所へ」

二十一日 「しなやかにかつたくましくありたいと 風にゆれる花見て思う」

二十三日 「熱風にせみ鳴く声も夢うつつ 時の流れにただ身をまかせ」

二十四日 「ひと粒のやさしさひとついかがです? 心の冷え症治りますよ~」

二十五日 「だんだんの夕焼け雲が輝いて 幸せ色のふたりのほっぺ」

二十六日 「夏嵐気ままな風に乗っかって どこか遠くへ旅に出ようか」

二十七日 「台風の過ぎ去ったあとかぜ残り ぼんやりだるい夏の午後かな」

二十九日 「お陽さんに恋した花に恋しては 新しい歌口ずさむかな」

 三〇日 「むしむしと暑さの残る夏の夜は かすかな風にこころ清ませる」

三十一日 「白衣のりりしき姿美しく 心ときめく夏越のやしろ」


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